cover.jpg

相続・遺言

相続問題でお困りの方へ

「遺産分割の話し合いが進まない」
「遺産が親族の1人に独占されてしまっている」
「不公平な遺言書が作成されている」

身内の方を亡くしたことによる相続という問題は、世の中のほとんどの人が経験する出来事です。
しかし、“争族”という言葉もあるように、遺産相続をめぐる問題は、ときとして親族間の泥沼の紛争になってしまうことがあります。

相続問題でお困りのときは、お気軽にご相談下さい。
また、当事務所では、遺されたご家族に無用な争いをさせないよう、遺言書の作成も積極的にお薦めしています。

遺産分割の流れ

1. 相続人を確定させる

相続人調査

故人の戸籍を出生に遡って調査し、相続人のなるべき者を調べます。

相続人の中に調査を尽くしても行方が分からない者(不在者)がいる場合には、家庭裁判所に不在者の財産管理人の選任を求めることがあります。また、不在者が7年以上生死不明の場合には、失踪宣告の申立も検討します。

その他、必要があれば、相続放棄の有無や相続欠格・推定相続人廃除の有無を検討します。

2. 遺産の範囲を確定させる

通常はあまり問題になりませんが、例えば、ある不動産について、登記簿上は相続人のうちの1人の所有名義となっているが、実質上は故人(被相続人)所有の不動産であるとの主張が、相続人の1人からなされることがあります。このような場合には、当該不動産が遺産に含まれるのかを確定する必要があります。

3. 相続分を算定する

① 特別受益の算定

相続人の一部に故人から生前贈与や遺贈を受けている者がいる場合には(特別受益)、現に存在する遺産のみを対象として遺産分割したのでは、公平を欠くことになります。そこで、生前贈与や遺贈は相続分の前渡しと考えて、計算上相続財産に加算して(持戻し)、みなし相続財産として遺産分割の際に考慮します。

② 寄与分の算定

共同相続人のうち、故人の生活の世話や病気の看護をしたり、無償で家業を手伝ったりして、故人の財産の維持又は増加に貢献(寄与)した場合、その相続の寄与が特別と認められるときは、遺産分割をする際に遺産総額から寄与分を予め控除し、寄与した相続人にはその寄与分を本来の相続分とは別枠で増額して相続できるとされています。

4. 遺産分割協議

以上を踏まえて、共同相続人全員で遺産分割協議を行います。
相続人の中に未成年者や被成年後見人がいる場合には、家庭裁判所に特別代理人の選任を求める必要があります。

5. 調停・審判の申立

相続人間で遺産分割の協議がまとまらないときは、家庭裁判所に対して、遺産分割の調停・審判を申し立てることになります。
「調停」とは、家庭裁判所における話し合いによる解決方法であり、「審判」とは話し合いによる解決ができない場合に、裁判所の判断(審判)によって解決する方法です。

手続上は、調停を経ずに最初から審判を申し立てることができますが、家庭裁判所では事件の受理に当たって、まず調停事件として申し立てるように指導することが多いですし、実務上も、ほとんどケースでまずは調停が実施されます。
調停で、話し合いによる合意に至った場合には、調停成立となり、調停調書が作成されます。

合意に至らなかった場合は、調停不成立となり、審判へと移行します。審判では、審判官(裁判官)が当事者の言い分や客観的な資料に基づいて、適切と考えられる判断(審判)をします。

遺言書の作成

1. 遺言書を作成することは、次のようなメリットがあります。

(1) 家族間の無用なトラブルを避ける。

「うちの家族は仲が良いから相続でもめることはない」などとお考えではないですか?
しかし、

  • 遺産が自宅不動産しかない場合はどう分けるのか?

  • 親の介護をずっとしてきた子と親から借金ばかりして迷惑をかけてきた子が同じ相続分でいいのか?

などを考えると、今は仲の良い家族であっても、遺産分割の話し合いはそんなに簡単ではないことがおわかりだと思います。
遺言書を作成しておけば、遺産の分け方で紛争が起こることを防止できます。

(2) 特定の財産を特定の人に残してあげることができる。

例えば、正式な婚姻届をしていない内縁の配偶者に財産を残したい場合、お世話になった方に財産を残したい場合、遺産を寄付したい場合など、遺言書を作成しておかないと希望を実現することができなくなってしまいます。

(3) 残された家族がスムーズに相続手続を行うことができる。

相続が発生すると、1人の相続人が遺産を勝手に動かすことができなくなります。銀行預金の払戻を受けるに際しても、通常は、相続人全員の実印と印鑑証明書が必要になります。

遺言書を作成し、その中で遺言執行者を指定しておけば、遺言執行者が責任を持ってその内容を実現します。預金についても、遺言執行者が預金の払戻を受けて、遺言で指定されている人に迅速に引き渡すことができるのです。

その他,不動産や株式などについても、遺言書があれば、名義変更をスムーズに行うことができます。
残された家族が相続を円滑かつ迅速に進めるためには、遺言書が不可欠です。

2. 遺言の種類

遺言は、文字で残すことが原則とされています。したがって、ビデオテープや録音テープなどは認められていません。
遺言には、①自筆証書遺言、②公正証書遺言、③秘密証書遺言の3種類があります。

(1) 自筆証書遺言

遺言者本人が全文、日付、氏名を自筆で書いた書面に捺印したものです。用紙は何でも構いませんが、ワープロや代筆は認められません。

メリット

  • 費用がかからない、作成が簡単、遺言の存在や内容を秘密にできる

デメリット

  • 遺言が発見されない危険がある、形式に不備があると無効になる危険がある、改ざん・隠蔽等の危険がある、開封時に家庭裁判所の検認が必要

(2) 公正証書遺言

遺言者本人と証人2人が公証役場に出向いて(場合によっては、公証人に自宅等へ来てもらうこともできます)、公証人に遺言の内容を口述(筆談、手話も可)し、口述した内容を公証人が筆記し、公正証書を作成します。それを遺言者及び証人2人に閲覧または読み聞かせた上で、内容が間違いないことを確認して遺言者、証人2名及び公証人が署名押印して完成します。

メリット

  • 公証人が関与するので、形式の不備はなく、内容の解釈を巡り後日争いになる可能性が低い

  • 公証役場に原本が保管されているので、正本・謄本の再発行ができる。

  • 検認が不要、偽造・改ざんのおそれがない

デメリット

  • 費用がかかる、証人2名が必要、遺言の存在・内容を完全には秘密にできない

(3) 秘密証書遺言

公正証書遺言と同様、公証人が作成しますが、遺言書の内容を密封して公証人及び証人2名の前で封書を提出し、自己の遺言である旨を告げ、住所氏名を述べます。それを公証人が封紙に日付とともに記録し、遺言者・証人とともに署名押印して作成します。公証人も内容を確認できない点が相違点です。

メリット

  • 遺言の内容を秘密できる、偽装・変造のおそれがない

デメリット

  • 費用がかかる、証人2名が必要、検認が必要、形式・内容等の不備で無効となる危険がある、紛失・隠匿の危険がある。

以上のことから、最も確実は遺言は、公正証書遺言といえるでしょう。

遺留分減殺請求

1. 遺留分とは

遺言書があり、相続人の1人が多額の遺産を受け取っている場合や、相続人の1人が多額の生前贈与を受けている場合には、遺留分の問題になります。

すなわち、法定相続人のうち一定の者には、遺言によっても侵すことのできない相続財産の一定割合を承継する権利が保障されており、これを遺留分といいます。
遺留分を侵害された相続人は、遺留分減殺請求権を行使することにより、遺言によって侵害された自らの権利を取り戻すことができるのです。

2. 遺留分権利者

遺留分を行使できる者(遺留分権利者)は、①配偶者、②子(代襲相続人でもOK),③直系尊属(父・母等)です。被相続人の兄弟姉妹は遺留分権利者ではありません。

3. 遺留分の割合

遺留分の割合には、総体的遺留分(遺留分権利者が相続財産全体に対して有する割合)と、個別的遺留分(遺留分権利者が2人以上いる場合に各遺留分権利者が相続財産に対して有する割合)があります。

総体的遺留分は、直系尊属のみが相続人である場合には相続財産の3分の1であり、それ以外の場合は相続財産の2分の1です。個別的遺留分は、遺留分権利者が数人いる場合に、総体的遺留分を法定相続分に従って配分されます。

例えば、配偶者と子2人が相続人の場合の個別的遺留分は、
配偶者の遺留分は 1/2 × 1/2 = 1/4
子の遺留分は、それぞれ、1/2 × 1/2 × 1/2 = 1/8
となります。

4. 遺留分減殺請求

自己の遺留分を侵害された遺留分権利者は、相手方(遺贈または贈与を受けた相続人、受遺者又は受贈者)に対し、遺留分減殺請求をすることができます。

遺留分減殺請求権の行使は、相手方に対する一方的な意思表示で足りますが、明確な証拠を残すためには、内容証明郵便で行うべきでしょう。
遺留分減殺請求権は、遺留分権利者が相続開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知ってから1年間で時効消滅します。相続開始から10年経過したときも時効消滅します。

遺留分減殺請求をしても、相手方が返還に応じなかったり、遺留分相当金額について話がまとまらないときは、家庭裁判所に調停を申し立てることになります。
調停でも話し合いがまとまらず、調停不成立となったときは、地方裁判所に訴訟を提起することになります。

遺留分侵害額の計算は、生前贈与、遺産内容、遺言書の内容如何では複雑になることがあります。弁護士に相談されることをお勧めします。

弁護士費用

1. 遺産分割・遺留分減殺請求

対象となる相続分の時価相当額を、経済的利益とさせていただいております。
但し、分割の対象となる財産の範囲及びその相続分について争いがない部分については、その相続分の時価相当額の3分の1が経済的利益となります。

例)遺産総額が1200万円で、かつ法定相続分が2分の1であることについて争いがない場合
1200万円 × 1/2 × 1/3 = 200万円が経済的利益となります。

※但し、着手金の最低額は10万円になります。
※事件の難易度・当事者数などを考慮して30%の範囲内で増減させていただくことがあります。

2. 遺言書作成

  • 定型的な遺言書の場合

10万円~20万円

  • 非定型的な遺言書の場合

300万円以下の場合

20万円

300万円を超えて3000万円以下の場合

1%+17万円

3000万円を超えて3億円以下の場合

0.3%+38万円

3億円を超える場合

0.1%+98万円

※特に複雑又は特殊な事情がある場合には、協議により定める額とします。